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キング「ミスター・メルセデス」

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 文庫化が待ちきれなくて、図書館から借りて呼んでしまいました。新品同様の中古もあるにはあったんですが(弘前ってすごいと思う)、高価、上下で3千円弱では意味がありません。

 読み始めてすぐに、これはキングがよく使う(たとえばローズ・マダーのように、)追うものと追われるものの視点が交互に描かれる形式、ミステリーではこれを多用すると非難されたりしますが、キングなら許されるでしょう。

 自分がこの形式にびっくりした最初はジョン・ファウルズの「コレクター」で、映画だと二人の視点が同時、または交互に出てきますが、原作では、まず誘拐する男の側から小説の半ばまで語られて、後半は誘拐された女の日記と言うかたちで提示されます。あわせて読んで、お互いの思うところ、理解したところ、分かり合えなかったところ、が納得できる形になっています。

 「ミスター・メルセデス」もこれに近くて、自分の好きなミステリーの形態なのです。ですが、犯人の人物像はすばらしく狂っていていいんですが、ボッジス(主役)を補佐する2人、ジェロームとホリーに魅力がなさ過ぎる!!!あんまりじゃわい。せめて、「悪霊の島」のジャックとワイアマンくらいの個性があれば、能力が高くなくともいいんです。

 PC操作の能力を延々と書かれても、そのくらい普通じゃねー、とは誰も言わんのでしょうか?

 このままでは文庫化されても、手元に置きたくはならんのでは?と思います。