シャイアン・ジャクソンを応援するブログ

I support Cheyenne Jackson without permission from Japan.

悪霊の島

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 キングの長編は、たいがい風呂敷を広げてたたまないままに終わることが多いと思います。それがいやだったらキングを読むな、といわんばかりです。

 この「Duma Key」だって、まさにそのとおりの結末ですが、ここには新しいキャラクター、手伝い人のジャックという21歳の大学生、サーファーでガールフレンドがいて、いいやつときたら今までの作品だったらむごい目にあってさっさと退場、というところですが、この作品では後半に活躍して、その後幸せになりそうな気がします。

 ジャックはいかにもなアメリカンの軽い性格で、エドガーとワイアマンにはさまれての行動は、ホラーの世界においても息抜きのコントみたいに笑いをもたらしてくれます。皆が書いているように、{読みました!」だの、「あらすじは、、、」だのでは、このジャックの腹話術の不気味さとおかしさの入り混じった不思議な空間は知りようもありません。

 最後の章、(ワイアマンの蛇、ジャックの蝙蝠、エドガーの鰐がある)のためにだけでも手元においておきたくなりました。実はわが市の図書館から借りてきたのですが、4頁に一箇所は食べこぼしのしみや手形、折癖だらけで、掃除しながら読むのが大変な努力を強いられる数日だったわけです。

 最新の「ミスター・メルセデス」がないので、図書館かよい葉これで最後になりそうですが、、、。

 以前の作品と違うのは、このジャックにしろ、リックにしろ、カースンにしろ、生い立ちや背景がなんにもえがかれないことです。

 藤田新策さんの絵はこの作品のホラー部分を強調しているものですが、The Icecypher のジャックのイラストは、いかにも!の絵でした。

 http://icecypher.blogspot.jp/2016/02/stephen-kings-duma-key-jack-cantori-and.html

 本文で一箇所どきっとしたのは、「よかれと思ってしたことは、かならず罰せられる」というところです。