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ウールリッチ/アイリッシュ:夜は千の目を持つ

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 ここまで追いかける気はなかったんです、そもそもあんまり「幻の女」は好きな作品ではありませんでした。

 実際に読書から離れていた時期に「黒衣の花嫁」という作品は、見逃していていまだに未読です。

 創元推理文庫ががんばっていて、2017年の復刻で「黒いカーテン」、2018年の復刻で「黒いアリバイ」、レギュラー版として「暁の死線」、そして今月は「夜は千の目を持つ」とリリースしています。

 一方の雄ハヤカワ文庫は「幻の女」ただ一冊で、全然復刻の気配がありません。

 読んだ順番としては、

 1、黒いアリバイ
 2、黒いカーテン
 3、暁の死線
 4、夜は千の目を持つ

 未研磨の本は3と4はリリースされたばかりなので簡単に入手できます。3は書店によっては入手可能です。ただ、苦労するのが1です。買った人が手放さないのか、そんなに売れなかったのか、、、。

 で、「夜は千の目を持つ」ですが、ミステリーに超能力者を出すと、現在でも難しいのに、当時の執筆ではミステリーとして破綻するのは目に見えています。ただし、スリラー+青春恋愛作品として一級品のものだと自分は思います。ウールリッチ/アイリッシュの作品では初めて拍手を送りたくなりました。