壁クロス用ボンドの目的外の使用
もともとは本の閉じ目が開いている状態の接着用として購入したものです。というのも本閉じに使用されている接着剤は時間がたっても柔軟性があり、熱を加えると変形するという性質がありまして、いくつか試してこれに落ち着いたものです。
多少のはがれは、アイロンの熱を加えられる場所でしたら、それでOKな状態になります。
今回は新潮文庫および以前の創元推理文庫のカヴァー、コーティングしていないものなので、カヴァーの背の部分がとくに指をひっかけて取り出す店員や客のせいで敗れやすく、敗れてないにしても端が色の欠落が起こりやすい状態です。
端っこだけの色の欠落は水性絵具で同じ色をつくって薄めて色足しを行います。しつこくやると紙が劣化しますし、色が濃すぎると透かしたときに濃く見えるのでわかります。そして場所によってはアクリルの透明な絵の具を薄めて補強します。
壁クロス用ボンドの使用は敗れた部分の補強に使います。本の普通のページの少々の裂けた部分は、木工ボンドを薄めてくっつけて、そのあとで湿り気を帯びた水分を使用してぼかすと、ほぼ完ぺきに補修できますが、カヴァーのような光沢紙は接着部分が線のまま残ります。上から絵具で手当てしても浮いてしまってむりでした。
そこで、その線の上に壁クロス用ボンドと水そして水性絵の具を混ぜて上書きして、水分を含めたものでふき取ります。そうすると乾くと接着部分の線は消えて、少しへこんだかな?の状態まで持っていけます。
自分が使用している壁クロス用ボンドコニシのエチレン酢酸ビニル樹脂系水性接着剤とあります。