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「ブラッド・メリディアン」の少年(kid)の最後の場面(ネタバレ2)

 そもそもは、悪の化身であるハールデン判事に対して、神の恩寵を一身に集めているように見えた少年(kid)が、そう簡単に死ぬわけはない、と思ったからでした。

 会話では、嘘を言わせることもあるこの作品ですが、事柄を記述する際には、思わせぶりや推測を許さない、事実のみを記載するというスタイルを貫いています。

 では、判事は便所に全裸でいて何をしていたのか?直前に、行方不明になった女の子を探している記述がありますので、そういうことをおこなっていたという流れです。45歳になった少年(kid)は、16歳の時の判事の関心を引いていた少年(kid)とは違います。いくら判事が強力の持ち主でも45歳で挑まれれば受けて立つ45歳は銃も持っています。また直前に娼婦とセックスしたばかりで、匂いをぷんぷんさせていたはずです。

 誰が来るかわからない便所で、中に入ったら普通は鍵をかけておくものですが、判事の場合は少年(kid)が来たので鍵を開けて中に入るのにまかせた、そして判事は踊りに行って、いつもは言わない「私は死なない。」と言い、45歳の少年(kid)は立小便をしながら、通りかかった二人に「俺なら入らねえな。」という。

 中を見た男の「こりゃひでえ」という発言は、汚れが多いとか普通の殺人では出てきません。やはり女の子の被害者しか該当しません。

 だとすると、この立小便をしている男も変です。中を見て立ち去りもせず、人を呼びも騒ぎもせず、堂々としている。これはやはり事情を知ってなお、超越した態度をとれる45歳の少年(kid)以外には考えられません。