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キングの「ダーク・タワー」もしくは「暗黒の塔」

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 日本語訳はどうしても大げさな言葉をつかうけいこうにありまして、Childが童子だし、Dark Tower は暗黒の塔になってしまいます。


 Child Rowland to the dark tower came,
His word was still 'Fie, foh, and fum
 I smell the blood of a British man.
 — King Lear, Act 3, scene 4

 誰がどう見たって「ダーク・タワー」といえば悪の勢力の象徴で、普通は中心にいる薔薇を守り、敵対する暗黒の塔を破壊するためにとこへの到達を目指す物語になるはずです。

 そして真紅の王は塔を守り、闇のものは道中を阻害する。暗黒の塔は悪を放つ中心になる存在でなければなりません。

 ところが、それでは普通すぎるし、インスパイアされた「指輪物語」に反旗を翻すためなのか、暗黒の塔を守るためにそこを目指す、と変えたためにわけがわからんものになってしまいました。

 読んでいて常に感じる違和感は、暗黒の塔というものが、はたして何のために存在するのか?ということです。キングの物語るストーリーで目くらましにあっていますが、悪の存在がうすっぺらく、「指輪物語」には比すべくもありません。

  本来は真紅の王はサウロンであり闇の男はサルマン、モルドレッドはゴラムに相当するはずですが、そうするとあまりに似すぎるのでやめた、と思います。結果、ローランドの存在意義、塔の存在意義、すべてあいまいなままに物語が終わってしまうという結果に、、、。

 物語というのは、ましてファンタジーは、あらすじがすべてではなく、辻褄だけが中心とは思っていません。人間の生き方は感じ取れればそれでいいと思っています。自分は「ジェイク」が出てくる部分だけは興味深く、引き込まれてましたが、今でもそれは変わりません。