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光文社古典新訳文庫「サロメ」

 購入する前は期待していました、光文社古典新訳文庫のワイルド作品は、最初に「ドリアン・グレイの肖像」次に小尾芙佐さん訳の「幸福な王子」ときて、いままで研磨済みのものしかなかった「サロメ」が重刷されたのですから、、、、。

 ところが、読み始めの1ページ目から???でした。いいんですよ、全225ページのうち「サロメ」が81ページしかなくても。

 でも「異様だなァ」とはなんですか?ステージで演じるための台本で、「ァ」とわざわざカタカナにする意味は?つい「ホビット〈上〉―ゆきてかえりし物語」の「ボク」を思い出しました。両方の翻訳者さん方は現在に生きる文章ということで努力されているのは分かります。でもこのセンスは自分には受け入れられませんし、はやり言葉としても古すぎます。

 ちなみにアマゾンの本で「サロメ」と検索すると、いまだに福田恒存さん訳の岩波文庫の方が上位に来ています。光文社古典新訳文庫の読者の意見でも絶賛の評もありますが、自分の好みでは、やはり旧かなといえども福田恒存さん訳のほうがしっくりきます。

 一方の小尾芙佐さんはさすがです。古典として成り立つような語彙を駆使していて、翻訳家のほうが言葉の使い方に優れているって、どういうことでしょう。

 光文社は「赤と黒」、「カラマーゾフの兄弟」の誤訳騒動の時の態度といい、自分が問い合わせた時の返事をしない応対(何か問い合わせを出版社にして、返事がなかったのはここだけです。)といい、いい感情は持っていませんでしたが、こうなると話は別です。